聴く力
- 公開日
- 2011/04/27
- 更新日
- 2011/04/27
校長室から
4/26日付け天声人語氏、茨木のり子さんの詩「聴く力」から〈舌ばかりほの赤くくるくると空転し/どう言いくるめようか/どう圧倒してやろうか〉を引用していた。全文は
聴く力
ひとのこころの湖水
その深浅(しんせん)に
立ちどまり耳澄ます
ということがない
風の音に驚いたり
鳥の声に惚(ほう)けたり
ひとり耳そばだてる
そんなしぐさからも遠ざかるばかり
小鳥の会話がわかったせいで
古い樹木の難儀(なんぎ)を救い
きれいな娘の病気まで直した民話
「聴耳頭巾」を持っていた うからやから
その末裔(すえ)は我がことのみに無我夢中
舌ばかりほの赤くくるくると空転し
どう言いくるめようか
どう圧倒してやろうか
だが
どうして言葉たり得よう
他のものを じっと
受けとめる力がなければ
という詩(ポケット詩集 童話屋より引用)。
とても深い詩だ。