学校日記

校長室だより

公開日
2011/02/02
更新日
2011/02/02

校長室だより(txt)

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                    2月号
                    No.45
              校長室だより 高野口中学校
                平成23年1月25日
                 発行 文責 角谷

★立春 〜希望〜 ★
 1月20日大寒の頃から2月4日立春の頃にかけては寒さの底。野も山も全てが静まり、もの言わぬ辛く厳しい時期だが、さすがに日脚が伸び、天地の胎動を感じさせる。立春という言葉の響きは、我々に、やがてやってくる喜びの春陽を予感させ、あと少しの辛抱だという希望を抱かせる。3年生は私学受験まっただ中。願書に貼られた一人ひとりの顔写真を見つつ書類を点検し、校長印を押印する。心中ガンバレとつぶやきながら。
徳富蘆花の「立春」を掲載。旧仮名遣い等難しいけれど、情景がよく浮かび、この季節にいつも読む。

○今日(けふ)は立春なり。潮(うしお)甚(いた)く干(ひ)たり。砂(すな)廣(ひろ)く、海狹(うみせま)くして、水低(みずひ)きくなりぬ。夕方(ゆうかた)出(い)でて濱(はま)に歩(ほ)す。日は落日(らくじつ)に間(ま)もなうして、然(しか)も西の空は薄(うす)き藍(あい)色(いろ)の靄(もや)の覆(お)ふあり。
日は夢の如(ごと)く靄(もや)の中(うち)に微(びく)黄(わう)をぼかす。
潮干(しおひ)、砂(すな)廣(ひろ)くあらはれて、鐙摺(あぶづり)の鼻(はな)の岩礁(いわ)と、鳴(なき)鶴(づる)が鼻(はな)の岩礁(いわ)と、黒く海中に延(ひ)きたり。人あり、長(たけ)一寸ばかり、岩の上に立つ。帆あり、濶(はば)一分ばかり、點々(てんてん)として遠見(とおみ)の果(は)てに遊ぶ。海は溶々(ようよう)として膏(あぶら)の如(ごと)く、とろとろとして流れず、纔(わづ)かに砂(さ)際(さい)に漣(さざなみ)を捲(ま)きて、緩々(ゆるゆる)砂(すな)に融(と)くるのみ。日は茫々(ばうばう)としてほのかに海に流れつ。鳴(なき)鶴(づる)が鼻の影は、鰐皮(がくひ)の如(ごと)く鱗々(りんりん)として高低(かうてい)せる砂(すな)と砂(すな)の絶(た)え間(ま)を求めて、狭(せま)きに缺(か)け、廣(ひろ)きに圓(まど)かに臥(ふ)したり。空眠(そらねぶ)り、海眠(うみねぶ)り、山眠(やまねぶ)り、山の影眠(かげねぶ)り、帆影(はんえい)眠(ねぶ)り、人(ひと)眠(ねぶ)る。立春の夕(ゆう)べ、地も天も蕩(たう)然(ぜん)として融(と)けむとす。
(注)甚(いた)く…はなはだしく 點々(てんてん)…點は点の旧字体 纔(わづ)か…少し 鰐皮(がくひ)…ワニがわ 鱗々(りんりん)…うろこのようにあざやかで美しいさま 缺(か)け…缺は欠の旧字体 圓(まど)か…圓は円の旧字体 蕩(たう)然(ぜん)…あとかたのないさま 明治31年2月4日 徳富蘆花「自然と人生」岩波文庫から引用 (注)以下は角谷

★がんばっています★
○明るい選挙啓発ポスターコンクール入選(11月)
 1年 赤井利早
○和歌山県ソフトテニスインドア大会(12月)
 第5位 奥田・中堀組
○和歌山県学校美術展出品作品(11月)
 3年 阿瀬彩香  2年 山口由季乃
○伊都地方吹奏楽アンサンブルコンテスト(12月) 金管八重奏 金賞(県大会へ)、木管七重奏 銀賞、打楽器四重奏 銀賞
○伊都地方バスケットボールウインターカップ(1月) 女子;優勝 男子;第3位
○和歌山県吹奏楽アンサンブルコンテスト(1月) 金管八重奏 金賞
○第14回吹奏楽ソロコンテスト和歌山県大会(1月)
 ・県代表関西大会出場者 山口由季乃
 ・優秀賞 吉田響 青木音々(いずれも2年)
○高野口町青少年健全育成会主催「ごみを捨てない運動」入選標語表彰者(1月表彰)すべて2年
「見つけたらすぐにひろってごみ箱へ」新名将也 
「捨てないで生き物がすむその川へ」立花明子 
「捨てないでひとりひとりの心がけ」森本翔馬 
「これくらいそんな気持ちがごみのもと」山本華奈
「捨てないでみんなの地球大切に」宮本帆乃果

★食育講座★
 1月18日一年生を対象に午後から「健康と食事について」の講座を給食センターの東谷栄養士さんが行ってくださいました。「給食センターの一日」のスライドをみて、給食の栄養分や朝食の大切さをわかりやすく解説していただきました。ありがとうございました。

◎編集後記◎
運動場東の白木蓮の木。しっかりと冬芽をふくらませている。彼らの抜かりない準備に畏敬の念すら感じる。

      立春のその後の寒さ言い合へる  石塚友二