学校日記

個性

公開日
2010/05/25
更新日
2010/05/25

校長先生より

子どもたちは、すべて違った形の、違った大きさの個性を持っています。その個性を存分に引き出し、伸ばして開花させるのが教育の本質です。私は個性というものをそのように考えています。
しかし、個性という概念を「人と違ったことをする。」「人と違うファッションを楽しむ。」というように考える風潮があるようです。
 派手な格好をしたり、ルールを守らず自由に行動することも個性豊かともてはやす風潮です。これは危険だと思います。
本物の個性とは、皆と同じルールで、きまりをキチンと守り生活をする。しかし、その中で何か他にはない輝きを放つものです。
 たとえば、イチロー選手。野球というスポーツで、同じルールで戦い、すべての選手が同じ条件。しかし、投げても、打っても、走っても・・・どこか、他の選手とは違った輝きを見せてくれます。本物の個性です。
 同じ条件でこれだけ個性を発揮できるのはどうしてか。私なりに考えてみました。
 彼はきっと、ルールがないところで人の何倍も努力をしているのです。
「これ以上練習してはいけません。」「これ以上準備してはいけません。」というルールはありません。そのルールのない世界、人が見ていない時間、場所できっと血の出るような練習、準備をしているはずです。そして、正々堂々と皆と同じルールの下で勝負する。輝きを放つのは当たり前です。
 私たちの目の前にいる400人の児童も、ぜひ、ルールや規律をしっかり守りながら、何か個性的な独自の光を放つ子どもにしたいと思います。
 10年以上前、東京渋谷での光景です。当時は女子高校生のあいだでルーズソックスが大流行していました。ほとんどの女子高校生が顔を浅黒く化粧して、ルーズソックス。そんな中に1人だけ校則をしっかり守っているんだなあという女子高校生を見ました。スカートの丈が長くも短くもなく、普通の白いソックス。もちろんノーメイクです。この学生がどれだけ新鮮で個性豊かに見えたことでしょう。当り前のことを当たり前にして、しかも何かが違う。こんな人が魅力的だと私は思っています。