卒業式 式辞
- 公開日
- 2009/03/18
- 更新日
- 2009/03/18
卒業式 式辞
平成20年度 卒業式 式辞
やわらかな春の日差しを浴び、桜の蕾もふくらみ始めたこの佳き日に、応其小学校第121回卒業生として、巣立ちの喜びを迎えられた72名のみなさん、卒業おめでとうございます。
また、本日の式に際しまして、早朝より、橋本市教育委員会教育総務課長 畑中かずお様はじめ、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り厚く御礼申し上げます。
保護者の皆様には、お子様のご卒業を心からお祝い申し上げます。立派に成長された姿に思いもひとしおのことと拝察いたします。
さて72名のみなさん、ただ今は、一人一人に卒業証書を授与しました。卒業証書は、小学校6年間の学業を全て修めたことを証明するものですが、同時に、多くの仲間と笑ったり、泣いたり、時には争ったり、喜怒哀楽を共にした、学校生活の思い出の結晶でもあります。
六年生の始めに、私は、「最高学年としての自覚を持ち、下級生によい手本を示し、先頭に立って学校生活をリードして欲しい。六年生が原動力となって立派な学校を作って欲しい。」と呼びかけました。その期待に君たち一人一人がよく応えてくれました。
集会でも紹介しましたが、夏休みに市民プールで水泳記録会がありました。個人の競技にも随分がんばり、良い成績をたくさん収めましたが、男子の二百メートルメドレーリレーで、大会新記録をいくつも出した選手のいるチームを破って見事優勝、第一位の栄冠を手にしました。飛び込みと同時に「応其、応其」の声援がプールに響き渡り、選手と応援が一つになって、本当に感動的なシーンでした。他校の先生からも「応其のチームワークはすばらしいなぁ。」と賞賛の言葉をいただきました。
秋の運動会でも見せてくれました。君たち自身で振り付けを考えたダンスや
一人の演技から二人、二人の演技から三人、徐々に人数を増やしていき、できあがった立体的なピラミッドは圧巻でした。誇らしげな皆さんの表情は輝いていました。
君たちが見せた、がんばりやすばらしいチームワークは、下級生のこころを揺さぶり、きっと良い手本となったことと思います。あこがれをもたれる存在で有り続けて欲しいと願っています。
集会では、昨年8月に開催された北京オリンピックのお話もしました。数々の感動がありましたが、なかでも男子400メートルリレーが心に残りました。日本チームは、100メートルを九秒台で走る選手を揃えている国々を押さえて、見事三位に入りました。インタビューを受けるチーム最高年齢36歳の朝原宣治選手の言葉が感動的でした。
「陸上競技の一つ一つは、個人が記録を目指して頑張る個人競技なんですが、リレーだけがチームプレーなんです。確実にバトンを次の人に渡す、このことに全神経を注ぎ、そのために練習を繰り返すのです。一人一人の記録を見るととても優勝なんてできない、でもバトンタッチに失敗する可能性はすべてのチームに起こりえる。反対に全てのチームに優勝する可能性もあるのです。可能性があれば全力で練習を繰り返し、決してあきらめなかった。」
優勝すると思われていた、アメリカ・ジャマイカがバトンタッチに失敗し、あきらめず練習を重ねてきた日本チームが銅メダルに輝きました。偶然のメダルではなかったのです。私は、ことあるごとにこの「あきらめない心」を大切にしようと繰り返し君たちにお話をしてきました。昨年ノーベル化学賞を受賞された下村おさむ先生が次のように話されていました。
「『難しいからやらない』という考えは一番嫌いだ。物事は難しく見えても、出来てしまえば簡単なものだ。何事もやりはじめたら、できるまでやめてはいけない。一度投げ出すと、くせになってしまう。」
君たちは、4月から中学生として義務教育の残り3年間の学校生活を充実したものにしなければなりません。そのために、是非心に留めておいて欲しいことを4つお話しします。
1 学校に行っている間は「勉強」に努めること
大きくなるにつれて勉強時間が増える人間になって欲しい。学校を出てか らも本を読み、学習する大人であってほしいと思います。
2 体を鍛え、丈夫な身体をつくること
実社会に出ると、もっと体力があったらと思うことがあります。学生の内 にクラブなどをとおして十分鍛えてください。
3 学生生活を楽しくするのは君たち自身であること
何をさておいても友だちを大切にしてください。先生だけががんばっても 楽しい学級を作ることはできません。クラスは学生時代にだけ体験できる集 団です。
4 親の苦労が分かり、自分の将来を考えること
いつまでも親に頼っていないで、大人として自立できるように自分自身に 厳しくあって欲しいと思います。中学時代は、子どもから大人へと脱皮する
期間であると自分に言い聞かせてほしいと思います。
君たちの健闘を祈ります。
最後になりましたが、保護者のみなさまには、これまでの学校への温かいご支援とご協力に厚く感謝申し上げます。今後とも地域とともにある応其小学校としてがんばりますのでよろしくお願いします。
君たちの限りない前途を祝福して、私の式辞といたします。