学校日記

卒業式【学校長式辞】

公開日
2012/03/12
更新日
2012/03/12

学校生活

冬の寒さもやわらぎ、暖かい春の訪れが感じられる今日、中学校3カ年の課程を終え、卒業される皆さん卒業おめでとうございます。
 保護者の皆様方、お子様のご卒業おめでとうございます。立派になられたお子さんの姿を見て感慨深いものがあると思います。教職員一同心よりお祝い申し上げます。
 また、高い所からではございますがご多忙のなかご臨席賜りました橋本市教育委員会学校教育課課長補佐 栗川 ますみ様 橋本市議会議員 森下 伸吾様 はじめ、ご来賓の皆様方には卒業式に花を添えていただきありがとうございます。
 さて、卒業生の皆さん、3年間の中学校生活を振り返ってみて下さい。3年前の春、新しい制服に身をつつみ、希望と不安の気持ちで入学してきてから、早いもので3年が過ぎ去ろうとしています。学級や学年、クラブ活動、生徒会行事、学校行事などで、先生や友達と過ごした時間の数々の思い出が走馬燈のように頭に浮かんでいることでしょう。私は、君たちとはわずか1年という短いお付き合いでしたが、特に、印象に残っている事として、先ず1つめは、春の修学旅行です。東日本大震災の影響もあり、行き先を九州方面に変更し実施しました。みなさんは、たぶん、東京方面、東京ディズニーランドに行きたかったことと思います。しかし、長崎市での平和学習(原爆資料館の見学や被爆体験の語り部である 深掘じょうじさんのお話)は大変貴重で、私も含め、「命の尊さや戦争の悲惨さ、平和であることの有り難さ、平和を守っていくことの大切さ」を学ぶ大変良い機会になったと思っています。余談になりますが、講演が終わり、深堀さんと少しお話をする時間がありました。その中で、「原爆が投下された時は、私は学生でした。日本が唯一の被爆国として、戦争の悲惨さと平和がいかに大切であるかを後世に伝えることが私の使命だと思って語り部をしています。しかし、私も、80近い、語り部のほとんどが高齢になっています。あと数年もするとほとんどいなくなるかもわかりません。しかし、このことを風化させてはいけないと思っているのです。」と語ってくれたことを思い出すと、今でも私は胸が熱くなります。
2つめは、高中祭や体育祭等の生徒会行事や学校行事です。下級生をリードし、みんなをまとめ、みている人にも多くの感動を与えてくれました。
3つめは、春の選手権大会や夏の中体連大会と吹奏楽コンクール・マーチングコンテストです。君たちが中心となり、県大会や関西大会、全国大会に出場するなど、立派な成績を収め、大活躍してくれました。 
このように、一歩一歩着実に前に進み、足跡を残せたのは、みなさん一人ひとりの自覚が高まり、体だけでなく心も大きく成長してきたことと、みんなで力を合わせ、優勝という目標に向かって頑張ったから出来たことです。このことは、下級生(1・2年生)にも大変良い刺激になっていることでしょう。しかし、その影には、君たち本人の努力はもちろんですが、先生方やお父さんお母さんたち家族や地域の学校支援ボランティアの方々、それと友達、チームメイトの支えと励ましがあったからだと言うことを忘れないでほしいと思います。 
「あいだみつを」という詩人が、次のような詩を書いています。 
「花を支える枝  枝を支える幹 
幹を支える根  根はみえねんだなあ」
 みんなに助けられ・支えられ生きている、生かされているということを作者なりにうまく表現した詩です。是非とも、感謝の気持ちを忘れず、しっかりと周りをみることが出来るかしこい人になって下さい。   
さて、みなさんはこれから高等学校や専門学校へとそれぞれ一人ひとり違った道を進むわけですが、健康に留意しながら勉強に運動に精一杯努力をし、さらに一回りも二回りも大きな人間に成長してくれるよう期待しています。      
 巣立っていく卒業生のみなさんに、アメリカの野球チーム(マリナーズ)で大活躍している「イチロー」選手の言葉を紹介します。
 「今、自分に出来ること。がんばれば出来そうなこと。そういうことを積み重ねていかないと、遠くの目標は近づいてこない。努力をせずに何か出来るようになる人のことを天才と言うのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何か出来るようになる人のことを天才と言うのなら、僕はそうだと思う。」このイチロー選手の言葉からも、何事も前向きに行動することが可能性を生み、確かな一歩を積み重ねて、遠くへ行っている(世界にはばたくことが出来る)ということです。夢や願いをもち、それをかなえるのはみなさん自身です。多くの困難にぶつかるかもしれませんが、その困難を乗り越え、努力すればきっと実現すると思います。是非、夢をもち続け、夢に向かって努力する人であってほしいとお願いし、私の餞(はなむけ)の言葉といたします。
 最後に、保護者のみなさまに一言申し上げます。お子さんは、義務教育を終え、思春期(体や心が発達する時期)から青年期(社会的に自立し、大人社会に入る準備期間)に入ります。まだまだいろいろと気苦労されることも多々あると思いますが、子どもたちを信頼し、時には厳しく、時には温かく見守り、支えてあげて下さい。きっと、自らの力で、よりよい生き方を切り開いてくれるものと思います。この3年間、本校に賜りましたご厚情に感謝し、今後とも変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げ、式辞といたします。