学校日記

プロ

公開日
2010/02/15
更新日
2010/02/15

校長先生より

二男(23歳)が高校三年生の時の国語の先生の話です。
二男はまじめでも、ふまじめでもなく普通の高校生でした。三年生の国語の先生は、必ず始業の2分前に教室に来て開始のチャイムを待っておられたそうです。ほとんどの学生は「うざい!」と感じていたようです。授業は淡々としていて面白くなく、生徒にとっては「がまん」の一年間であったようです。
そして、いよいよ最後の授業が終わったとき、先生が静かに言われたそうです。
「毎日、2分前に来て、皆さんはうっとうしいと思っていたでしょう。しかし、私には、きっちり50分間、君たちに授業をする義務があります。1分たりとも無駄にはできません。」
今、社会人となった息子が私に言います。
「お父さん、金づちで頭を殴られたような気がした。働くってこういうことなんやと思った。今、高校生活を思い出しても、この先生が最後の授業で言われたことがまず頭に浮かぶ。」
 私は、この先生にたいへん感謝をしています。残念ながら息子にすばらしい国語力があるとは思いません。しかし、人として何が大切か、働くとはどういうことかを身をもって教えていただきました。
今、息子はこの先生から教わった姿勢で働いています。
教師として、真の「プロ」だと思います。
私たちも見習わなければなりません。